『アンダーグラウンド』
1995年、カンヌ映画祭最高賞受賞
エミール・クストリッツァ監督
”かつてあったくに”ユーゴスラビアの、二人の男と一人の女を軸に第2次大戦時からユーゴ内戦時までを描いた激動の50年史。
大戦中、マルコと名乗るある男が、友人の男クロとその家族や周りの連中50人程を地下都市に住まわせ、対ナチスの為の武器を作らせていたのだが、そのうちナチは失脚大戦も終わるも、マルコはそれを黙殺、その後も彼らを地下に住まわせ武器を作らせる。
そのうちマルコは武器商人として大統領の側近となり政治的にも活躍、クロの妻だった女性も自分のものにし、すべてはうまく行っていた、…地下世界の彼らを省けば。
そして時は過ぎ、気づけばクロたちを騙して、ごごごっ50年!
と言う奇想天外なお話。
これがもう全編めまいを起こすくらいのひっちゃかめっちゃかな映像の洪水と強烈なビートが炸裂するブラスミュージックで貫かれ、息つく暇も与えない圧倒的興奮の2時間30分。
ただただ『す、すげぇ!』しか出てこない。
こんな映画観た事ない。
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『素晴らしき哉、人生!』
フランク・キャプラ監督、ジェームズ・スチューワート主演
アメリカでは、クリスマスシーズンになると毎年必ずテレビ放送されている、アメリカ人は誰もが知っている映画だそうです。
映画冒頭、いきなり舞台は宇宙。地球から遥か遠くはなれた大宇宙の片隅で。星? 星雲? なんだか良くわからない物体がピカピカ光りながら、会話している。
『ジョージはいい奴だ』『うん、あいつはたしかにいい男だ』とかなんとか…。
つまりこれは神様の象徴。つまりつまり我々地球人はすべて、遠い空の向こうで神様がしっかり監視しているって言う事になっている。
で、本編が始まる。
ジェームズ・スチューワート扮するジョージさんは父から受け付いた住宅ローン会社を経営している。人種やお客の人がらを選ばず、分け隔たりなく誰にでもお金を貸す、人の良いビジネスマン(サブプライムなんとかじゃないです)だ。
そのキャラクターに魅かれてみんなから好かれてはいるが、会社はちっとも儲からない。
やがて、美しい奥さんや子供たちにも恵まれ、ささやかな幸せを育んでいる。
そんなとき彼に悲運が訪れる。会社のお金をなくして倒産の危機に見舞われるのだ。
『もう、終わりだ…』
自棄をおこし、冷たい冬の川に身を投げようとするジョージ。
まさに飛び込もうとしたその瞬間、彼の前に現れたのは、なんだかうだつのあがらないひとりの老人。
彼は言う。
『わしか? わしはは2級天使じゃ。突然じゃがお前に死なれては困るのだよ、わしは。わしは1級に昇進したいのじゃよ。と言う事でお前を助けなければ1級に上がれぬのじゃよ。だから助けるのじゃよ、えっへん。ん? 翼か? 天使の? だからわしは今2級なのじゃ。1級じゃないと生えてこんのじゃ。気にしてるとこ付くんじゃないバカモン』
と、突然その老人に言われるジョージ。
もちろんそんな戯言にわかに信じられない。
『じゃあ』ってんでその後彼が見せられた世界は、
”もしジョージがこの世に存在していなかったら”と言う世界。
実は彼の人生は、図らずもいろいろな人々を幸せにしてる人生だったのです…。
ひと一人の命が、いかに大切かを教えてくれる物語。
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たしかにファッキンジャップは僕も分かります。
『BROTHER』
北野武監督主演。
2000年。
たけし扮するヤクザの若頭山本は、あるいざこざからに巻き込まれた事から、腹違いの弟が住むアメリカへ逃げてくる。
弟は地元のチンピラたちとつるみ、マフィアのおこぼれの仕事なんかしているケチな奴だが、この恐れを知らない凶暴なブラザーが加入した事で、ブレーキの壊れたダンプカーのようなすさまじい暴走運転に巻き込まれて行く。
この山本兄と言う男は、映画史上においても稀に見る暴走男。こんな奴は見た事がない。
目の前に立ちはだかった奴は、もう誰だろうと、キルキルキル!
蚊をつぶすように、ぶっ殺す!
躊躇と言う言葉を知らない、アホみたいに殺して殺して殺しまくる。
とにかく神をも恐れぬやりたい放題ぶり無法地帯ぶりの2時間には、思わず開いた口が塞がらないド迫力。
といってもぶっ殺される連中って言う奴らは決まってて、そりゃもうその筋の人たち。と言うか観客が『ア、コイツ感じ悪いな』と思っちゃう人たち(その意味で寺島進の自決シーンだけはいただけない)。
それを我らが北野先生がばったばったと手当り次第に殺してくれるんだから、気持ちいい。
でも、行き着く先は、そりぁそうだろうと言うあっけない結末なんだけど。
すっごい映画です。
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『グッド、バッド、ウィアード』
2008年韓国映画。
マカロニウエスタンの名作、『続夕陽のガンマン』(原題はグッド、バッド、アグリー』=いい奴わるい奴汚い奴)を下敷きに、舞台を満州国においた無国籍風アクション映画。
たまたま襲撃した列車で宝の地図を発見したウィアード。この金に目がないロクデナシがお宝を涎たらして探す過程でグッドやらバッドやらが介入して来て、果ては大日本帝国軍(白竜兄貴発見)やらギャング一味やらも乗り込んで来て、大さわぎの大アドベンチャー劇が始まる。
タイトルを直訳すると、『いい奴とわるい奴と変な奴』らしい。
オリジナルの方はいい奴=クリント・イーストウッドが主役だったけど、今回は変な奴=ソン・ガンホに変えたのがグッジョブ。
コイツがちょろちょろコミカルに動き回ってると、横からグッド役のチョン・ウソンがライフル片手に馬に乗って颯爽と現れて、『お前おいしい役だなあ』って言う。
もちろんバッド役のイ・ビョンホンの極悪非道演技も光る。
圧巻のクライマックスは、荒野を舞台に馬やら車やらサイドカー付きバイクにでっかいマシンガン搭載のトラックやらに乗った主要キャラクターが集結して、まだなんなのか知らない宝を目指して、全員ですさまじい大追跡劇を繰り広げる。
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『手錠のままの脱獄』
スタンリー・クレイマー監督。シドニー・ポワチエ、トニー・カーティス主演。
ハリウッドが生んだアフリカンアメリカン最大のスーパースター、シドニー・ポワチエの名を世に広めるきっかけを作った作品。
刑務所の囚人たちを乗せた護送車が、森の中を走行中誤って転倒。それに乗じて手錠でつながれた二人組の男が逃走。奇しくも二人は黒人と白人だった。
時は1950年代。まだまだ黒人たちが不当に差別されていた時代。
彼らもやはりいがみ合い憎しみあっている仲。当初は全く意見が噛み合ず、終始、一触即発状態。しかし、固い手錠でつながれた二人は離れる事すら出来ない。
そうこうするうちにも追っ手が迫ってくる。
そのうちに、互いに協力し合わなければ、どうする事も出来ないと気づいた二人は…。
たった二人の逃走劇は、そのまま当時のアメリカの人種差別問題の縮図。
重いテーマを孕みながらも、囚人の逃走劇というハラハラドキドキ感も備えた素晴らしい脚本が、その年のアカデミー脚本賞を獲得しました。
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『ノーウェア・ボーイ/ひとりぼっちのあいつ』
ジョン・レノンの青春時代を切り取った伝記映画。
キーポイントになるのはお母さんとの関係。そして、ポール・マッカートニー…。
イギリスのリバプール。
まずジョンの子供時代は、母のお姉さんミミ伯母さんの家でおじさんも入れて3人で生活していました。
というのも本当の両親はジョンが幼い頃に離婚。父は船乗り、母も養う事が出来ず、伯母さんが代わりに引き取ったのです。
ノーウェア・ボーイとは、行き場のない少年、あるいは自分が何者か分からない少年。つまり、この時期のジョン少年そのものです。
だから、ジョンのこの時期はかなり荒れててヤンキーで学校でも問題児です。
まさに自分の存在理由に悩む青年といった感じです(そう言えば、同じくジョン・レノンの青春時代を描いていた『バック・ビート』の中でも、タバコはあっちこっち投げ捨て人殴ってばっかいるチンピラ野郎だったな)。
あるとき優しかったおじさんが突然この世を去ると言う事件が起こります。
それを機にジョンの中で、お母さんに会いたいなと言う思いがわき上がります。
すると、実はお母さんは近所に新しい家族と住んでいると言う事が分かります。
早速母に会いに行くジョン。それを今までの溝が嘘のように暖かく迎える母。
お母さんは名前をジュリア(ビートルズの楽曲に”ジュリア”と言う曲があります。何故かラブソングです)と言います。ジュリアはまだ年が若く、奔放で明るい人で、ジョンにはとても魅力的な人でした。
そして音楽の素晴らしさを教えてくれる人でもありました…。
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暴走! 車椅子戦車
『マーダーボール』
車椅子ラグビー通称『マーダー(殺人)ボール』と呼ばれる、障害者スポーツの中でも過激な種目で、パラリンピック出場を目指すあるチームを捉えたドキュメンタリー映画。
若きズパン青年はある日交通事故が原因で下半身不随に追い込まれる。
そんなときに出会った車椅子ラグビーで彼はパラリンピック出場と言う新しい目標を見つける事になる。
まるで戦車のように分厚い鋼板でかためられた車椅子が、敵チームめがけて突進して行く様は、スポーツと言うより格闘技。フィールドと言うより戦場。選手と言うより獰猛な獣。
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『レスラー』
ダーレン・アロノフスキー監督
ミッキー・ローク一世一代の名演、そして生涯忘れる事がない代表作。
プロレスラーランディ・ラム。彼は80年代には人気を博し栄光を手にした仲間からも一目おかれるような偉大なレスラー。しかし彼も今や衰える体にムチを打ち(筋肉増強剤)つつも、半ばすがるようにしてレスラー家業を続ける冴えない中年男だった。
家庭はとうに崩壊し、娘にもシカトされ、一人トレーラーハウスで生活している。
彼が思いを寄せるのは、行きつけのショー・パブの子持ちダンサー。彼女に会える時間が一番の安らぎ。
そして、今日もまた試合に出る。会場はどこも予備校の教室くらいのキャパだけどファンたちで満員。俺の勇姿を期待してくれている。
しばらくしてある日の事、医者からある悲痛な宣告を言い渡される…。
しかし、彼には最初から道は一つしかなかった…。
主演のランディ役のミッキー・ロークは彼以外に考えられない人。ランディはまさにミッキー・ローク、ミッキー・ロークはランディ。
ミッキーさんの人生が、そのまま反映されているような脚本。
これを観た後は『プロレスなんてどうせ八百長…』なんて一言で切り捨てる台詞がいかに野暮でダサイつまらない言い分かが良くわかります。
試合結果より何より、奴らはこんなに身を削ってがんばってるんだぞ!
印象深いシーンは、思いを寄せる女性と80年代を懐かしむ台詞
『80年代最高!
ガンズ・アンドローゼス最高!
モトリー・クルー最高!
…、それをニルヴァーナが全部ぶち壊しやがった』
全く同感出来ませんがロックファンは思わずグッと来るナイスな台詞です。
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『イントゥ・ザ・ワイルド』
監督、ショーン・ペン。
1997年ジョン・クラカワーと言うノンフィクションライターによって出版された、『荒野へ』の映画化です。
1992年4月、極寒の地アラスカの山中に、朽ち果てた一台のバス。
ヘラジカ狩りに訪れた猟師一行が見たものは、死後何日も経ったであろう寝袋に包まれた死体だった。死体の近辺には荒らされた形跡もなく、死因はおそらく餓死。
後日判明した死体の名はクリス・マッカンドレス。2年前大学卒業と同時にアトランタの自宅から、ヒッチハイクで放浪の旅に出た若者だった。
裕福な家庭に生まれ、大学の成績も優秀、傍目には順風満帆まさに将来を約束されていたも同然。
そんな彼が、文字通りすべてを投げ出して身一つで(出発前に銀行口座の預金をすべて慈善団体に寄付。クレジットカードはハサミでまっぷたつ。財布のお札は火に焼べると言った正気とは思えない徹底ぶり)旅へと向かわせた動機はただ一つ、
自然との同化。
確かに共感出来るシーンもたくさんありました。
旅で様々な人たちに出会ったり、森の中でのサバイバル生活はかなりエキサイティングで魅力的です。基本的には自給自足で、ライフルで獲物を捕らえたり、食草辞典で喰えるものを探したり。その中で失敗したり学んだりします。やっぱお金も必要だなと気づいて、たまにバイトとかもしてみます。
正直『あ、俺もやってみたい…』
とか思っちゃいました。
しかし彼は、違うんです。つまり全人生を駆けての…
自然との同化、です。
これはたまにある、若者の成長ドラマではありません。
なぜなら彼は最初から帰る気はないのですから。
確かに旅に出る前の彼の家庭環境はとても複雑で、精神的にとても苦労したみたいです(でもそれほど珍しい程ではない)。そして彼はとても頭がいいから、トルストイ等の難しい本をたくさ〜ん読んだから…。
それの行き着いた先が、自然との同化だと言うのです。
ちょっと腑に落ちないと言うか謎めいたものがあります。
というのも彼が自然との同化を目指し出た旅はわずか2年であっけなく幕を閉じるのです。しかも最後は信じられないくらいのつまらないミスです。
実は原作本を読んで分かった事は、こう言う人は昔からたまたまいたらしいのです。
そしてどういう訳かその人たちに共通するのは、とても不注意で無頓着で身勝手で後先の事を全然考えず大自然に飛び込み、あげくつまらないミスで命を落としていると言う事です。
今回のクリス君も、そりゃないだろうと言う最後で、
本当に惜しいです。
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マイケル・コルレオーネの悲劇
初代”ゴッドファーザー”ビトー・コルレオーネは1901年シシリー移民としてアメリカはニューヨークの地に降り立った。
若きビトーは移民街の食料品店で働きながら妻と子供たちを養い生活していたが、あるとき理不尽な理由で仕事を奪われ、生活に困った彼は悪友クレメンツァに誘われるまま泥棒家業に身を任す。
しばらくして彼らの前に地元の裏社会を牛耳っているファヌッチと言う男が現れ、ビトーたちに法外な要求を突きつけてくる。
ビトーは彼を殺す事を決意、奴の心臓へ弾丸をぶち込みであの世へと葬る。
ビトー初の殺しである。
そしてその後は、ニューヨークの裏社会のドンとしてのし上がってゆく。
…、それがマイケルのお父さんの暗黒サクセスストーリー。
で、そのドンの座を図らずも引き継ぐ事になった三男マイケル。
これが悲劇の始まりだった。
まずビトーの考え方は、友情を重く捉え、”お前が困っている時は助けてやるが、逆に俺が頼みたい時は助けろよ”と、言ってみりゃギブ・アンド・テイクみたいな、お互いの仲間意識を大事にする価値観。
しかしマイケルの方は、確かに頭は切れるしビジネスマンとしては天賦の才の持ち主なんだけど、仁義もへったくれもなし、邪魔な奴はとにかく殺して殺して殺しまくれと言う超自己チューな考え。あげくの果てには自分の血を分けた兄弟までも…。
そして決定的な違いは二人の奥さん。
ビトーの奥さんは夫とともに貧困を味わった苦労人。あくまで家庭の中の事で精一杯で家から外の社会の事はあまり知らない。だから夫が外でどんな恐ろしい事をしてても気づかない、というか気づかない振りをしている。
でもマイケルのカミさんケイは違う。裕福な家に生まれ高等教育を受け、社会の善悪もちゃんと分かっている。確か小学校の教師として、しっかり自立している。
そしてなにより、まさか自分が愛した人がマフィアのボスになるとは思っていなかった。
だから苦しむ。
そして、家を出る。
『ゴッドファーザー PARTⅡ』は、そんな父の成り上がりストーリーとその息子の転落ストーリーが、かわりばんこ同時進行に描かれ、その対比が絶妙です。
そして『PARTⅢ』になると、マイケルの贖罪と、もう後戻りの出来ない破滅だけが描かれるのです…。
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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
1985年アメリカ。
ロバート・ゼメキス監督、マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド主演。
17歳の高校生が、彼の両親が同じ年の頃にタイムスリップしたら、どうなるだろう?
と言う、誰でも思いつきそうで思いつかない、コロンブスの卵的とてつもないアイディアが生んだ、空前絶後問答無用のエンターテイメント映画の最高傑作。
マイケル・J・フォックス扮する17歳の高校生マーティは、ロックとスケボーを愛するイケてる好青年。
ある日友人の町の変わり者クリストファー・ロイド扮するマッドサイエンティスト通称ドクに呼び出されるのだが、そこで披露されるのは、なんとタイムマシン!
そしてそんなときにドクが騙したテロリストみたいな連中が突然襲って来て、マーティはあれよあれよと言う間にタイムマシンに乗り込み、またあれよあれよと言う間にタイムスリップ。
そして気がつくと、時代が30年前の過去(1955年)にタイムスリップしている!
そそそして、ある人たちに出会い、えっ!? この子たちは、…俺の両親!
奇想天外なすっごい脚本(ロバート・ゼメキスとボブ・ゲイルは書いてた時すげぇ楽しかっただろうな)。
まさに奇抜なアイディアのオンパレード。
タイムマシンを搭載した車が、加速する事で時空を横断やら、
今の自分と同い年の両親と鉢合わせ。そのせいで歴史が変わり、なんとかしないと自分の存在が消える!?
一切の無駄のない見事な脚本、当時の時事ネタを利用した思わずニヤリとさせられるギャグをちりばめ、全編ハラハラドキドキの連続! そして最後はあっと驚くハッピーエンド!
こんな面白すぎる映画ある!?
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『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
PTアンダーソン監督脚本、ダニエル・ディ・ルイス主演。
19世紀後半から20世紀前半のアメリカ。
アメリカ中を横断し石油を掘りまくる事に取り付かれた一人の男の物語。
石油を掘る事に、己の欲望のすべてを注ぎ、自分以外誰も信じない男。そんな彼の近くにいつもうろついているのはキリスト教原理主義のある神父。
自分しか信じていない男と、信じれば救われると言う男。
ラスト、二人は対決します。
…楽勝ですけど。
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『良き人のためのソナタ』
2006年度ドイツ作品。
ドイツがまだ東西に分かれていた頃の1986年。
東ドイツと言うのは国が市民の生活をすべて掌握してるような厳しい国、芸術活動をするのも政府の目を気にしなければ、下手すると国家反逆罪で逮捕されてしまう、怖い時代。
ある日国家保安省に務めるヴィースラー大尉に任務が下る。それはある劇作家のアパートに盗聴器を仕掛け、何を話しているか逐一報告しろと言うもの。
これは別にこの劇作家だけに関わらず、とにかく当時は政府に反対しそうな人は片っ端から目を付けろと言う時代だったらしい(芸術家等の表現者は特に)。
このヴィースラー大尉って男は、仕事はできそうなんだけど随分冷たい表情をした男で、ヘッドフォンを耳に装着し、ただただ事務的にその内容をタイプするだけの日々が続くのだった。
そしてしばらく経ったある日、いつものように盗聴していた彼の耳に聞こえて来たのは作家が弾くピアノの調べ。
『善き人のためのソナタ』と題されたこの曲は、
”これを耳にした人は、今後悪い事が出来なくなる”そんな魔法がある曲だと言い伝えられているらしい。
そして、気がつくと、ヴィースラーの心にも徐々に変化が…。
断っておきますけど、これはファンタジー映画では決してありません。
あくまで事実上、この日を境にヴィースラー大尉は、自分の地位も名誉もダメになる恐れも顧みず、嘘の報告書を提出し続けます。
彼は何に突き動かされそんな危険な行動をとったのでしょうか?
自由のために戦っている彼らに憧れを感じたのでしょうか?
政府に忠誠を尽くす事に疑いを抱いてしまったのでしょうか?
…、やがて二つに分かれていた国は統合します。
ラストシーン、最後の最後の台詞で、ふと訪れた本屋にて、ヴィースラー店員に向かってが言います、
『いや、自分のためだ』
全編観た人だったら感涙ものの最っ高の名台詞!!
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『トゥモロー・ワールド』
西暦2027年の近未来、なぜか世界中で子供がもう18年間生まれないと言う、病気なんだかなんなんだか分からない原因不明の不思議な現象に見舞われている。
そのせいで人類は自暴自棄になり、世界のあちらこちらで人々が暴走、政府は機能しなくなり、テロリストや何やらが大暴れの阿鼻叫喚。
この物語は、そんな世界のイギリスが舞台。
ここもほとんど戦場みたいな所。あっちこっちで爆弾テロが日常茶飯事。
主人公はセオと言う名の中年男性。彼はある日見知らぬ集団に突然拉致されるのだが、そこのボスは別れた元妻だった。
そうこうしてるうち、彼が紹介された一人の黒人女性。なんと彼女の身は妊娠中。
図らずも、まさにこの世の救世主となってしまった女性。
そして、その女性を巡り、謎の武装集団やらなにやらが介入して来て、セオは彼女と人類を救うため命がけで奮起する事になる。
この映画のすごいのは、なんと言っても脅威の長回し映像。
主人公がカフェでコーヒーを飲んだ後席を立ち、ふらふら外へ出たところで、今出たばかりのカフェが突然大爆発。
その後森の中の狭い一本道での銃撃カーチェイスは、車の中に備えられた一台のカメラだけで、すべてを捉えいて、激しい銃撃戦の車の中を捉えたかと思うとそのまま向こうの車を捉えたり、まさに縦横無尽にぐんぐん動く。
そして極めつけは、ラスト付近で廃屋化した建物を、主人公が激しい戦闘の中銃弾をよけながら上の階を上って行くんだけど、カメラは彼の背後にべったりくっついてて、それもタダ逃げるだけじゃなく、ゲリラに捕まって撃たれそうになったり、向こうの方でミサイルが建物に命中して大爆発したり、変な群衆が横切ったり、兵士が撃たれて血が吹き出たり、ちゃんと会話してる演技もあったり…。
これがすべて1台のカメラだけでカットせずずーっと捉えた映像!
まさに主人公と同じ視点で物語が鑑賞出来、自分も今そこにいるような臨場感が味わえるってことです。
今の時代はCGで何でも出来ると言う考えも一方ではありますが、
そんな事はどうでもいいんです。観てる間にバレなければ、手品といっしょ。タネを開かせばつまんないかもしれないけど、分からない時はただただびっくり。
…違うかな?
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『母なる証明』
少し頭が弱い青年ヘジュンは母と二人暮らし。
ある夜偶然道ばたで出会った女子高生が、次の日死体で発見される。
犯行現場からヘジュンの名前入りゴルフボールが出た事で彼は警察に逮捕される。
しかし息子が殺人者だとは信じられない母は真犯人を見つけるため、血眼に奔走する。
そして、最後に恐るべき真実が…。
なんかポン・ジュノって人はすごい人ですね。
冒頭主演のお母さんが、山奥の原っぱで一人つっ立ってるんだけど、そのうちふらふらと横揺れし出し、突然彼女は踊っている事に気づく。
最初『なんじゃこれ!?』って思う、すっごい不気味な絵で、
でもこれがラストシーンにちゃんとリンクされている。
愛する息子が刑務所に入れられ、前半は悲劇のおかあさんとして示されるんだけど、中間部からまるで犯人探しのハードボイルドな探偵おかあさんみたいになって、
でもそんなのは長く続かず、あれよあれよと言う間にラストは、もうやるせないくらい悲惨な真実にたどり着く…。
しかし物語はなかなか終わらない。と思っていたらお母さんにとって、身の毛もよだつ恐ろしい物を息子に見せられて…、
そして最後の最後で、フラダンス(?)。
ここ…。笑っていいところですか?
前半中盤部の小さなエピソードが後に付箋としてちゃんと示されていたり、こういうのはすごく唸らせます。
天才的な演出力がもうビシバシ漲っています。
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『パンズ・ラビリンス』
メキシコ映画、ギレルモ・デル・トロ監督
終戦直前の1944年、スペインの深い森の奥。ここにファシスト軍の基地があリ、反政府組織を叩く準備をしている。
ここを仕切っているのは冷酷非道な大尉。コイツに嫁ぐ事になった婦人とその娘オフェリアが山道の一本道を車で向かっているところから話が始まります。
オフェアリは戦死したお父さんとおとぎ話や童話が好きな女の子。突然こんな山奥につれてこられ新しいまま父は怖い奴だしお母さんもあまりかまってくれない。
オフェリアは、ますます空想の中に逃げ込みたくなります。
そんな時、彼女の前に突如妖精が現れ、森の中へと誘います。そこには石造りの迷路があり、妖精に誘われるままさらに中へ入って行くと、そこにいたのは山羊と人の間の子のような牧神(パン)。
彼は言う、
『お帰りなさいませ、お姫様』…。
これじゃあよくある下手な少年少女の夢物語というか絵空事みたいじゃないかって思うかもしれませんが、もちろんこれだけでは終わらないとても切ない戦争の悲劇を訴えた辛辣なお話です。
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『ドル箱三部作』
監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネ、そして主演クリント・イーストウッド
『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『続夕陽のガンマン/地獄の決闘』。
俗に言うマカロニウエスタンの名作です。
マカロニウエスタン(アメリカではスパゲッティウエスタン)って言うのはイタリア産の西部劇です。
ジョン・ウエインやJ・ステュワート主演の本場の西部劇のような、アクションの中にも哀愁とか郷愁なんてかったるい(?)香りは一切無く、ピストルドンパチ、血しぶきブシュー、土埃と日焼けで真っ黒な顔をした(でも歯はやたら白い)ガンマンたちが睨み合って殺し合って、って言う映画。
ハリウッドで全然仕事がないイーストウッドが半ばいやいやイタリアに行って、『荒野の用心棒』(アメリカ西部劇のテイストを日本の時代劇に置き換えた黒澤明の『用心棒』のリメイク。つまりアメリカ→日本→イタリア)に出演。
ここでポンチョを着た名無しの凄腕ガンマンを演じて、これが世界中で大ヒット。
イーストウッドは『えっへん、どんなもんだい』とばかりにアメリカに凱旋帰国したのは有名な話。以降は俳優はもちろん監督としても大大大活躍。
で、この3部作なんですが、物語的にはほとんどつながりがありません。『続〜』とかなってますけど、全然続じゃありません。
イーストウッド扮するガンマンがどっからどう見ても同一人物に見えるってだけで、だからといって物語の中にはそれを裏付けるような説明も特にないし、完全に別個の映画です。
なかでも『続夕陽のガンマン』が一番人気があり(タランティーノも大ファン)良く出来ていて、イーライ・ウォラック扮するケチな男が、すごい弱いんだけど底意地の悪さとずる賢さで、非道の西部をタフに生き抜く”負け犬ダイハード野郎”を好演していて、主役を喰う勢いです。
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大丈夫、僕たちには『SR サイタマノラッパー』がある!
2009年公開。
埼玉県のとある都会でもなきゃ田舎でもない微妙な地域の町で、ヒップホップミュージシャン、と言うかラッパーで夢をつかもうと奮起する、しがない若きボンクラチームの青春ドラマ。
まずオープニングは本当にかっこいい。
タイトル〜スタッフ〜出演者と流れるクレジットに挟まれる形で、その主役たちのラッパーチームが、真夜中の高速道路を楽しそうに車をかっ飛ばす。そのバックで流れる彼らのラップミュージックは、ぞくぞくするくらいかっこ良いい。
…、がしかし本編が始まると、嘘みたいにかっこ悪い。
いやだからこそあえてかっこいいと言おう!
和製ヒップホップをすると言う(誤解を恐れず言えば)、ある種の後ろめたさ、居心地の悪さは、むしろこう言うスタンスじゃなきゃ具合が悪い。
ヒップホップと言うのは過酷な出身のアフリカンアメリカンの人たちが発明した20世紀最後の大発明。ある意味最後の希望、夢。貧困や犯罪から抜け出す希望と言う名のロープ。地獄に垂らした蜘蛛の糸的なロープ。
例えばヒップホップミュージックというのは、音痴でも楽器が出来ない人でも大丈夫。マイクと自分の声と、既存のレコードさえあれば出来る、多くの黒人たちに勇気を与えたスッゲー音楽なのだ。
幸か不幸か到底我々日本人には、その辺の問題を本当には共感するのは難しい。
でも一つだけ世界中誰でも共感できる、そしてそれがヒップホップがこれだけ大きく、世界中のユースカルチャーを席巻した結えん。
それはやっぱりかっこいいから!
欲を言えば、もうちょっとヒップホップへの切羽詰まった愛情を描いてほしかったなあ。
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『ボーイ・ミーツ・ガール』
1982年フランス、レオス・カラックス(お元気ですかー?)の監督デビュー作。
〜最近恋人にフラれて傷心のアレックスは、持病の不眠症もあり、今夜も夜のパリの町を無目的にぶらぶら徘徊するのだった。
そんな時、ふと見かけた光景は、アパートのインターフォン越しに部屋の中の女性と話している青年。
何やら別れ話のようなやり取りが聞こえる。
後日、その女性がとある屋敷のパーティーに招かれている事を突き止めたアレックスは単身そこへ忍び込み…。
白黒映画、淡々と静かに進む物語は、フロントガラスが思いっきり破れた車、ひびが入ったコーヒーカップ等、常に不穏な空気が漂っていて終止悲劇的なラストを予感させます。
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『12モンキーズ』
テリー・ギリアム監督、ブルース・ウィリス、ブラッド・ピット主演
近未来SFサスペンスの佳作。
まず、オープニングのタイトルが出るところがかっこいい。黒バックに『12モンキーズ』のタイトル文字と、お猿さんのかわかっこいいイラストが横からゆっくりスクロールしてくる。後ろのアコーディオンの音楽も。
近未来のアメリカ。ある殺人ウィルスにより、ほぼ人類は滅亡、残った人々は地下深くで身を潜めて生きている。
地上に行くには、宇宙服みたいなダボダボした対ウィルス用の防御服を着なければならない。
つまり地上は未だに人が住めない世界なのだ。
ブルース・ウィルス扮するある囚人は、政府の命令で時々地上にあがっては、何か改善の多立てはないか探っている。
地上は廃墟となっているが、高層ビルや信号機などの都会の風景がそっくりそのままに残っていて、人の姿だけが全く見えないだけ。
ところがそこへ、大きな野生の象が横切る! そのうち猿やキリンが登場…。彼らはまるで何事もなかったように生きている。
そう、地上から排除されたのは、まさに人類だけ。それ以外の動物たちは何喰わぬ顔で生きている。
どうやらウィルスは人間にしか効き目がないらしい。
で、囚人に次の使命が下る。それはタイムマシンを使って滅亡直前の過去に戻り、事件の真相を探ると言うもの。
そして向かった先は1997年。
でここで出会うのが、ブラピ扮する脳みそ炸裂クレイジー坊や(このキレた演技がすごい。アカデミー賞にノミネート)、と12モンキーズと名乗る謎の集団。
どうやら彼らがこの事件の鍵を握るらしいのだが…。
ギリアム監督と言えばおそらく一番有名なのが、『未来世紀ブラジル』。
あちらも未来物でしたが、アナログとハイテクが混ざっているようなデザインがかっこ良かったけど、この映画の未来デザインもなかなか楽しいですよ。
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『バーディ』
アラン・パーカー監督、
ニコラス・ケイジ(若い!)、マシュー・モディーン主演。
昔から忘れがたい作品です。
〜ベトナムの激戦地からなんとか帰還したケイジ扮するアルは、とある病院へと向かう。
そこには高校時代の親友バーディが入院しているらしい。彼もベトナム帰還兵で無事五体満足で戻れた身なのに戦場の地獄図は彼の心をぼろぼろにし、発狂したバーディは自分を『鳥』だと思っている…。
当然アルの事も思い出せない。
困惑するアル…。
そんな彼の脳裏に蘇ってくるのは、地元の高校生活での楽しかった思い出…。
60年代のアメリカを舞台に、ちょっとチャラ男入った普通の青年アルと、本気で鳥に生まれ変わりたいと思ってる風変わりと言うかかなり変人バーディの奇妙な友情の物語。
鳥に生まれ変わりたいと思ってると言うのは比喩でもなんでもなく、文字通りです、マジです。
人力飛行機を造って試運転するのはまだかわいい方。やがて素っ裸になって鳥小屋に潜り込み、小鳥たちと戯れたり…。同年代の女の子の裸を見ても全く動じない。
かなりショッキングなシーンもあります。
そう言えば、心は完全に鳥になったバーディが、窓の向こうを見つめているこの映画のポスターもかなりヤバイと思います(僕は中1の時これを見てかなりトラウマです)。
そんな彼の奇行を半ばいやいやながら付き合ってるアル。
良いシーンですけど、ある日バーディが野生の鳩を捕まえて伝書鳩に育てて一儲けしようとアルを説得するんだけど、鳩たちに仲間だと騙すために鳩の羽で造ったすごいダサイ着ぐるみをバーディが拵えて、
しかも二着。つまりアルの分もあるってこと。
『これ、お前のだぞ』って感じでアルに一着渡して着さそうとするんだけど、
アルは優しいからうだうだ言いながらもしっかり着る!チャラ男のアルがぁ!
なんて良い奴!
で真夜中の鉄工所に二人忍び込む。
そんな楽しい(?)日々は長くは続かず、
やがて戦争の影が二人を覆い…。
そして現在。自分の殻に閉じこもるバーディを、なんとか呼び戻そうとするアル…。
アル青年がつぶやく印象的な台詞があります。
『ジョン・ウエイン映画に騙された…』
(ジョン・ウエインと言うのは戦前戦後に架けて大活躍した大俳優で、強いアメリカ、アメリカンヒーローの象徴のような人物。には『グリーンベレー』と言う戦争賛美映画も作っている。)
今思えば、かなり不気味で、でも不思議に魅かれてしまう映画です。
ラストシーンはいい意味でずっこけますが…。
ピーター・ゲイブリエルのBGMもいい。
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『ツォチィ』
2006年アカデミー外国語映画賞受賞
南アフリカ、ヨハネスブルグ。
町のチンピラ、ツォチィは生まれながらの貧困から悪事しか生きるすべを知らない青年。
ある日の事、強盗目的で盗んだ車に、まだ1歳にもならないような赤ん坊を発見します。
『なんだぁコイツ!?』
悪事しか知らない男ツォチィは、こんな奴捨てちまおうなんて当初は思うんだけど、その都度赤ちゃんのかわいい笑顔が…。
そのうち近所の年頃の女にお乳をやってくれとお願いしている…。
あの腐れチンピラツォチィが…。
あどけない赤ちゃんの笑顔に悪党ツォチィの心にみるみると変化が…。
その頃、赤ちゃんの両親は子供が誘拐されたと警察に通報し血眼で探している…。
大げさな演出は無く、でもツォチィの行動が静かな感動を呼び起こします。
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『無防備都市』
1945年。
イタリア映画界の大巨匠ロベルト・ロッセリーニ監督作、永久不滅の名作です。
戦時下のイタリア。ファシスト政権に拮抗するレジスタンスたちの物語。
革命的名作です。
多少ネタバレに繋がりますが…、普通映画と言う物が始まりますと、主人公は必ずアップで初登場します。
つまり意図的に『この人が主人公ですよ』と、観客に分からせるためです。
これは昔からそうです。
この観客が意識せず持っている固定観念を監督は逆手に取るんです。
映画冒頭一人の女性が登場します。
アンナ・マニャーニっていうきれいな女優さんがアップで登場し、この時点で観客はみんな『あぁこの人が主人公の映画なんだな』って思う訳です。
そうこうして映画を観て行くと…、約15分後、見ていた人誰もがびっくりするんです。
突然主人公(だと思っていた人が)が路上で射殺されちゃう…。
これはイタリアンネオリアリズモって言う、当時のイタリア映画界のある歴史的なムーブメントの代表作で、映画の持つ本来主旨のはずのエンターテイメント性より、今この国で起きてる生の現実(本当の姿)を描くことをメインとする作品なのです。
『申し訳ございませんが、これは面白い娯楽物ではありません。今イタリアで起こっている現実です』
と言うのが監督からのメッセージ。と言う訳です。
でもそれだけじゃなく、娯楽物としても面白いですよ。
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『ブロックパーティー』

2006年公開。
ミシェル・ゴンドリー監督。
ニューヨークのブルックリンの路上で行われた路上ライブをおさめた音楽ドキュメンタリー。
演奏者はヒップホップ界の錚々たるメンバー、カニエ・ウエスト、エリカ・バドゥ、モス・デフ、目玉はやっぱり、ローリン・ヒル率いるフージーズ、その再結成ライブ。
とても印象深いシーンがあります。
誰か名前は忘れちゃったけど、集まった若者たち(みんな黒人)に、その人がマイクで説教するんですが、
『勉強したくても学費が払えなくて学校に行けないって奴は、図書館に行け』
勉強なんてやる気さえあれば、タダで出来るぞ。
あきらめるな!
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『狼たちの午後』
シドニー・ルメット監督。アル・パチーノ、ジョン・カザール主演。
圧倒的にエネルギッシュな一本。
〜蒸し暑いある日の事、とある銀行に3人組の強盗が入る。
だが、押し入って早々いきなり躓きが。3人の内一人が
「やっぱり俺怖い」と言い出したのだ。
『…………』
で、人が良いリーダーはその申し出を受け入れ、あっさり帰してしまう!
で、二人に減った仲間は、『金を出せ』ととりあえず本来の目的を遂行しようとするのだが、今度は、他に移したばかりで金庫の中は空っぽときた。
『…………ふっふざけんな!』
と嘆いたところでもう後の祭り。
と、そうしている間にふと窓の外に目をやると、いつの間にか警官隊が包囲している!
そうなるともちろんあっという間に野次馬たちがわんさか。
『終わった…』
もう観念かと思われたが、やけっぱちの二人は、人質を盾に、銀行に立てこもり…。
パチーノ扮する強盗のリーダーの憎めないキャラが最高。それに反して、何考えてるか分からない相棒役のジョン・カザールも良い芝居してる。
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『太陽』
アレキサドル・ソクーロフ監督作。
昭和天皇の、第二次世界大戦敗戦目前から、敗戦直後の数日を描いた、役者は当然みんな日本人言葉も日本語のロシア映画です。
昭和天皇はイッセー尾形が務めています。皇后は桃井かおりです。
これはロシア制作の映画です。
なんか日本の皇室を描くなんて、我々側としては絶対触れてはいけない究極のタブーのように思ってたんですが…。
これが驚く程重たくなく、軽快に描いているのが特筆すべきところ。
天皇となんか側近のおじさんとのやり取りなんかは、すごくコミカルで楽しいです。
なんだか呆気にとられるくらい、”普通の人間”してます。
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イアン・カーティスの映画
『コントロール』
2008年公開。
ロック・アーティストのカメラマンで有名なアントン・コービンの映画初監督作品。
80年代にちょろっとだけ活躍して、あっという間に解散した伝説のロックバンド、ジョイ・ディヴィジョン。そのカリスマボーカリスト、イアン・カーティスの半生を描いた伝記映画です。
1976年、イギリスはマンチェスターで行われたセックス・ピストルズのデビューライブに衝撃を受けた4人の若者が始めたバンドは、TVレポーターのトニー・ウィルソンが造ったファクトリー・レコードの力を借り、プロデビュー。そしてイギリス全土を回るライブツアー〜徐々に人気が出て来て、今度はアメリカツアーか、と言う矢先ある悲劇が…。
『24アワーズ・パーティ・ピープル』
マイケル・ウィンターボトムズ監督、2003公開。
1976年のある日の事、TVレポーターのトニー・ウィルソンは友人の誘いで訪れたライブハウスにて運命的な衝撃を受ける。
セックス・ピストルズのデビューライブ!
彼はすぐさま音楽業界に飛び込む事を思い立つ。そして仲間と一緒に創設したのは、ファクトリー・レーベル。
そして第一弾アーティストに選ばれたのは、言わずもがな、
ジョイ・ディヴィジョン。
そう、もうお分かりのようにこの二つの映画はかなりの部分でリンクしています。
ジョイ・デヴィジョンのメンバー4人はもとより、トニー・ウィルソン、伝説の音楽プロデューサー、マーティン・ハネットなど、両方に出演している実在した人たちを見比べるのも面白いかも。
で、最後は、ジョイ・ディヴィジョンのドキュメントDVDですか。
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『ポーラX』
レオス・カラックス、長編映画としては今のところ彼の最新作にして、既に12年前の作品。
どうやって食べて行けるんだろうか?
パリ。古城みたいな屋敷に姉と二人で暮らしているギヨーム・ドパルュドュー扮する青年は、美しい婚約者もいて、素性を明かさず出版した小説がベストセラーになってたり、未来に何も不安がなさそうな絵に描いたような幸せ者。
ある日そんな彼のもとに
『私は戦争難民で今はこんな汚い身なりですが、実はあなたの本当の姉よ』とバカバカしいくらい信用できないような、めちゃくちゃな訴えを言ってくる、誰が聞いても怪しい謎の女性に出会う。
しかし青年は、あろう事かそんな彼女の言う事を信じ、そしていつの間にか彼の生活はめちゃくちゃに破壊され、
破滅への道を進む事になる…。
彼女は一体何者なのか!?
破滅願望…。
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『アメリカン・ヒストリーX』
エドワード・ノートン主演
アメリカのある中流家庭の仲良し兄弟。彼らはいわゆる”白人絶対至上主義”(白人以外アフリカンだろうとスパニッシュだろうと我々アジア人だろうと全員クソクソクソ!)で、地元で有色人種の人たちを追っ払う、ある過激なグループに属している。
そんな兄弟の、兄の方がある事件を起こしてムショに数年服役し、やっと帰ってくるところから物語が始まる。
尊敬していた兄がついに帰ってくる、『またいっしょに暴れようぜ!』とばかりに胸躍らせる弟だったが、ところが彼の前に現れた兄は、全くの別人に変わっていた!
誰にでも優しい穏やかな好青年…。
弟の目には、どう見てもただの腑抜け野郎にしか見えない。
ムショで背骨を抜かれたのか?
あげくグループも脱退。
ついに弟の憤りは爆発、
『兄ちゃんどういうつもりだよ!?』
『前のかっこいい兄ちゃんに戻ってよ!』
すると兄は、ムショで出会った体験を静かに語りだすのだった…。
静かな語り口で進む物語ですが、10秒画面を見ただけで、あっという間に引き込まれる吸引力があります(自分はCSの映画チャンネルで観たんですがまさにそうでした)。
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『アメリ』
ジャン・ピエール・ジュネ監督、オドレィ・トトゥ主演
女性はこれを観ると
今より約1.5倍素敵になります。
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