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若き今村昌平。戦争にまつわる、あまりにも、あまりにも切ない話。

カンヌ映画祭グランプリに二度も輝いた、日本を代表する映画監督今村昌平(1926~2006)。




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その自伝「映画は狂気の旅である」を読んで、今も忘れられない強烈なエピソード。


日本が戦争まっただ中の昭和19年。今村昌平は中学生でした。

昌平少年には12歳年の離れた、洋一という兄さんがいました。


洋一は大学在学中に芝居にハマり、父に勘当されても芝居の道に進んだ、末っ子の弟昌平に優しい兄だったそうです。


そんな彼にも、ついに召集令状が届きます。

戦争に取られたのです。


見送りは京王線、幡ヶ谷駅のホーム。

中学生の昌平、そして洋一の妻、そして3歳と5歳の息子たちだけの寂しいものでした。



上の息子は終始下を向き、歯を食いしばって必死に耐えている様子でしたが、


下の子は泣きじゃくり、戦争へ旅立つ父に向かって、こう叫びました。







「僕も一緒に行くー!」











こんな悲しい話を、聞いたことがありません。

シナリオ研究 第24回『ターミネーター』

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1984年 アメリカ映画


脚本 ジェームズキャメロン ゲイル・アン・ハード


主演 アーノルド・シュワルツェネッガー リンダ・ハミルトン他


 


 


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ハイコンセプト


未来から来たメカ殺人鬼に命を狙われるヒロイン。


 


 


 


2029


 戦争時の未来。


 


そして舞台となる現代のロサンジェルス(夜) 


 


別々の場所で、二人の謎の男が現れる。


一人はいきなり通り魔殺人で悪役とすぐにわかる。


もう一人はひ弱そうな平凡な男子。


「今は何年だ!?」といった核心をつくセリフ。


 


 


0:12(昼)


サラ・コナーの冴えない日常。


 


男、二人ともそれぞれ銃を携帯(対比映像)。


 


ターミネーター、一人目のサラ・コナーを確認と同時にいきなり殺害。


 


 


サラ、一人で外出。バーに入店。


カイル、後ろからつけてる。


 


サラのルームメイト、身代わりにシュワに殺される。


運悪くサラから留守電話。


「なんだこいつじゃなかったの…」


 


 


サラ、バーから警察に電話。


「みんなのいるところは一番安全だ」(伏線)


 


0:36


第一プロット・ポイント


シュワがサラに狙いを定めた直後、当初怪しいと思われていた男、カイルがシュワを撃つ(謎が溶け出す)。


撃たれても不死身。


 


バー、大惨事


 


カイルの名台詞「助かりたければついて来い!」


 


逃走


 


サラと未来とターミネーターの説明。


 


 


カー・チェイス


 


二人、警察署に連行。


 


シュワ、自分で寂しく傷を手当て。


 


署でカイルが長々説明(面白いのであまり退屈は感じない)。


 


「署は安全だ」伏線2


 


シュワ、I'll Be Back


(なんと憎まれ役の精神科医がただ一人難を逃れる!)。


 


署、大惨事。


 


ミッド・ポイント


カイル、サラ(もはや頼れるものはこの男しかいない)、二人で逃亡。1:04


 


サラ、カイルの傷の手当て(最初の[黒ハート])。


 


第2プロット・ポイント


しばらくして結ばれる(これがオチにつながる)


 


 


最後の戦い。サラ、カイルに『さあ、立って!』


(立場が逆になり、成長が示される)


 


カイル、殉死。


 


サラ、一人でシュワを撃退。


 


オチ


サラ、妊娠してる(カイルがパパ)。


 


THE END





見所:

人類の存続のカギを握るヒロインが、当初なんの変哲も平凡な女子っていうギャップ。

それが強い女性に成長するきっかけが未来人により、…って、しかもあろうことか、実はその人がお父さんって、なんだかややこしいが、まあ面白い。


そして、ヒーロー、カイル・リース。

どんなことがあっても命がけでヒロインを助ける自己犠牲

しかも写真で一目惚れしたとか言ってる)

そして二人間を引き裂こうと(?)するシュワ。


サラとカイルとターミネーターの三角関係はメロドラマとしても見れます。




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さすがはジェームス・キャメロンと共同で脚本を書いたゲイル・アン・ハートの女心が出ている?


豆知識

ジーザス・キリストとジョン・コナーはイニシャルJ・Cが同じ。


サラはマリア様。カイルは、マリアに懐妊させる告知天使。

シュワはキリストの誕生を恐れて、幼児を無差別に殺したヘロデ王。

が元ネタだそうです(ほんとかなぁ)。


メイキング・オブ・「アメリカン・グラフィティ」後編

第11章

ポストプロダクション

 

 ウルフマンのラジオ番組を作品のバックボーンにするというのは音響デザイナー、ウォルター・マーチのアイデアだった。

マーチは、このDJとともに、CM、リスナーとの電話、遠吠え、その他の奇行を

完備した、2時間のスタジオ・セッションをレコーディングした。

あたかも通り過ぎる車から聞こえてきたような、弱くて遠いくぐもった音にするため、彼はテープレコーダーにつけられたスピーカーでテープを再生し、野外で、手持ちマイクを使って録音した。


伝説によると、このミキシング作業中、ルーカスは「リール2、ダイアローグ2」が、フィルム缶には「R2ーD2」と略されているのに気がついた。

「いい名だ」と言ってノートにメモ書きしたとか…。


4人の話を同時並行で語る編集プランは問題が多かった。

編集は妻マーシャに任せるつもりだったが、タネンは彼が昔から信頼している

バーナ・フィールズ(一番有名な仕事はジョーズ)固執した。

マーシャはアシスタントに回った。


そして当初から問題だった音楽使用料の件だが、

まずプロデューサー、ゲイリー・カーツが以前かかわった映画『断絶』にて、

ビーチ・ボーイズのデニス・ウィルソンと共演していたコネを使い、

ビーチ・ボーイズの楽曲を一曲2000ドルの低料金での使用許可に成功。

これを突破口に、全ての曲をこれと同額でレコード会社に受け入れさせた。


それでも数が多いと額も膨大になる。

スタジオ側は選曲を半分にしろと言った。

 

…しかしこれは後に、スタジオのオールド・ハリウッドどもはとっても後悔することになる。

なぜなら「アメリカン・グラフィティ」のサントラは、この映画の最も利益を生み出す副産物になるのだから。




『くっそぉ〜、1500曲ぐらいにしときゃ良かった!』



第12章

 ついに第一回試写会!


1973年1月23日、

サンフランシスコにある劇場で、関係者から一般客まで800人を招いた 

「アメリカン・グラフィティ」第一回試写会が行われた。


コッポラ、ルーカス、カーツなどはもちろん、ユニバーサルの連中も会場に

集まった。

ルーカス派遣団が乗ったサンフランシスコ行きの飛行機に、タネンたちも同乗していたのだが、なぜかタネンはあえて離れて座った。

その後迎えに来たタクシーも、タネンはルーカスたちと同乗するのを拒否した


会場は老若男女、様々な世代の人が満遍なく集められていた。

上映が始まると、「ロック・アラウンド・ザ・クロック」の第一音が鳴った瞬間から、会場は熱気に包まれた。


観客が気に入ったのは明白だった。


上映が終わると、製作に関わった全員がロビーに出て、客たちの雰囲気を探ろうとした。





そこで、事件は起こった。




ロビーでルーカスたちとタネンたちはこの会場に来て初めて顔を合わせたのだが、実はタネンはその日、朝から立腹状態だった…。


まず最初に口を開いたのはコッポラだった。

何も知らないコッポラはタネンに気楽に話しかけた。


「映画はどうだった?」


タネンは答えた

 

 

第13章

『君たちには失望させられたよ!』


「こっちは散々骨を折ってやったのに、君たちには失望させられたよ!」


タネンは映画を観る前からカンカンだったのだ

彼がカンカンな理由はこうだ。

 

1970年「イージーライダー」の成功で始まった若者映画プログラムだったが、

その3年後には、

映画界は、完全に撤退していた。

スタジオは代わりに既に名のあるスターを使った、犯罪、暴力映画(エクソシスト、荒野のストレンジャー、ジャッカルの日、スティング、この年最大のヒットはポセイドン・アドベンチャー)

に力を注いでいた。

この時期に若者映画なんてバカバカしいとしか思えなかった。
73年にはアメグラは唯一の「若者映画」だった。



ロビーで一人激オコぷんぷん丸のタネン。
ルーカスとカーツはショックで口もきけなかった。



そして最初に口を開いたのは、…コッポラだった。

「あんたはそこでジョージに感謝するべきなんだ!」
「こいつは自分の身も顧みず、これをあんたのために
作ったんだ。
ちゃんとスケジュール通りにな。それだけでも感謝
しなければならないんだ!」


コッポラはリーダーらしくバシッ!と言った。






「あの時はフランシスを誇りに思えたよ」




「ワーナーが「THX」に手を出した時は彼に随分世話になった。
でも僕はそのことに恨みを持っていたんだ。
“あいつらに僕の映画をカットさせるのか?” “あいつらを止めてくれないのか?”
って。
グラフィティができた時も、どうせまたと思っていたんだ」

ルーカスは深い感銘を受け、以前の失態は完全に払拭されたのだ






件はここで終わらない。

引き続きコッポラはこうも言い放った。

「じゃあ、私がこの映画を買う!」

そしてジャケットの裏に手を伸ばし、まるで財布か小切手でも取り出すかのような
ジェスチャーを見せた!











…見せただけだった。



コッポラさんは普段小切手を持ち歩きません」
とは当時のマネージャーの証言。



…残念ながら、ハッタリだったのだ。



だがこの時のコッポラは確かにかっこよかった。

めちゃくちゃかっこよかった、この時は、









しかしここで本当に買っていれば…!


第14章

お蔵入りの危機


カーツが一番、激おこぷんぷん丸に近い存在だった。

納得いかないカーツは後日タネンの元へ。


「一体何が気に入らないんだ?!」

「あれはまだ公開できる代物じゃな〜い」

「会場は大盛況だったじゃないか!」

「サクラでも仕込んだんだろ」

「ふざけんな! こっちはどれだけ苦労して集めたと思ってるんだ?!

もう一度試写をやるからどこが悪いかはっきり言ってくれ!」


後日行われた試写の後、タネンはもう少し冷静になっていた。

彼は4箇所のカットを要求してきた。




テリーが、中古自動車屋の店長に絡まれる意味不明なシーンと、ダンスパーティで注意してきた先生にスティーブが「もう卒業してまぁーす」という、大人はカチンとくるシーン。

ハリソン・フォードが、車の中で下手くそな鼻歌を歌うシーン。

そしてジョンとキャロルが廃車場で語るシーンだ。





廃車場のシーンは最終的にカットを逃れたが、タネンのいい加減さにルーカスは激怒した。

タネンも、ルーカスが激怒したことにまた激怒した。


その後、何ヶ月も「アメリカン・グラフィティ」は公開を見送られる。





1973年5月、

タネンはまだぐずぐずしていた。


ある時20世紀フォックスのアラン・ラッド・Jr (のちにスターウォーズを配給する男)が、

この映画の可能性にいち早く気づき、「もし公開する気がないのならうちで買い取りたい」と、タネンに電話してきた。

同様の電話をパラマウント社からももらい、思わず面食らうタネンは…、


『え!? これ、良いの?』。


さすがのタネンもここにきて、

ケツを蹴り上げられる形となり、ようやく配給に回す形となった。



第15章

一般公開。大ヒット!


1973年8月1日。

ついに『アメリカン・グラフィティ』は一般公開される。

ルーカスはハワイに逃げたが、カーツは深夜までかけて新聞の映画評を

読み耽った


どこも絶賛の嵐だった。


「本年度最も重要な映画」


「あなたを泣かせること必至」


劇場の方も、大ヒットだった。

口コミでじわじわというのではなく、あっという間の大ヒット。

最初ニューヨークやロスアンジェルスで大勢の客を集め、その勢いは、全く衰えないまま全米に広まった。


ひょっとして、タネンが公開を延ばしたのが功を奏したのかもしれない。

この映画はまさに、夏、ドライブ・イン・シアターで観るのがぴったりの映画だったから!)



 

結局75万ドルの超低予算で作られた映画『アメリカン・グラフィティ』は、

その年だけで5500万ドル稼いだ。


大成功だ。


大、大成功だ。


21世紀にはこの映画の通算興行収入は2億5000万ドルになる。

これは映画史上最高級の費用対効果だ。


ルーカスがちょっとした思いつきから始まったプロジェクトは、何はともあれいろいろ紆余曲折あったが、もはや誰も否定することはできない、

大大大成功に終わったのだ。

 

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エピローグ


1974年某日。

30歳になったジョージ・ルーカスはマリン郡にある自宅(アメグラのギャラで得た)

書斎にいた。

彼はたった今「ザ・スター・ウォーズ」と題された、次回作のシナリオの

第一稿を書き上げた。




そのオープニグ・シーンは

「敵の爆弾を受ける宇宙船」でも「逃げ惑うドロイド」でもなく

                    




…宿題のシーンで始まるのだ。




おしまい

 

 

 


参考文献というか丸パクリ、ジョン・バクスター「ジョージ・ルーカス」
&クリス・テイラー「スター・ウォーズはいかにして宇宙を征服したのか」。






  

メイキング・オブ・「アメリカン・グラフィティ」中編

第7章

 コッポラの功績?


コッポラの参加により、エージェントのジェフ・バーグはユニバーサルからさらに15万ドル引き出すことができた。 


コッポラは映画の質を保つために必要な人材を雇う。

彼はまず、ハスケル・ウェクスラーを雇い、オーディションの様子を撮影させた。


次にキャスティング・デレクターにフレッド・ルースを推薦した。

彼は「ゴッドファーザー」でアル・パチーノとダイアン・キートンを推薦し、

彼の最大の大当たりは若きジャック・ニコルソンを発掘したことだ。 

 

「自分は何もしないくせに、他人の仕事で私腹を肥やす」


コッポラにそんな批判が周りから噴出すると、彼は身を反らして反論した。


「私には実績があった。私の若い仲間たちはみんな文無しだった。私はその全員を引き受け、自分の持てる全てを使って、彼らのプロジェクトに資金を出したんだ」


『アメリカン・グラフィティ』での彼の取り分は300万ドルを超えていた… 。

 

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第8章

キャスティングとロケハン

 

キャスティングの席はルーカスにとって非常に辛い作業だった。

俳優たちに何と言えばわからず、質問は全てルースに任せた。

俳優から今の演技についてどう思うか聞かれると、彼は条件反射のように


「いいよ! 素晴らしい!」

と答えていた。



俳優は誰もが無名だが最高の役者が揃った。


スティーブ役のロン・ハワードは子役上がりで、当時唯一名の知られる役者だった。


隣町のホッド・ロット乗り役のハリソン・フォードは、当時大工仕事を主な

収入源にしていた


彼は「ギャラはいくらだい?」と尋ねると、「週400ドル」

フォードは仰天した。

「俺は大工仕事で週1000ドル稼いでるんだぞ!」

 

週500ドルになった…  。

 



キャロル役のマッケンジー・フィリップスは当時まだ12歳で、カリフォルニアの

法律により、

 カーツが撮影の間彼女の正式な保護者にならなければならなかった。


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 ローリー役のシンディ・ウィリアムスはオーディション当時既に20代中盤だった。


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そしてこの映画のヒットの一つが、ルーカスがウルフマン・ジャックを説得して、彼の出演に同意させたことだった。


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彼は当時活動していた本物のラジオDJだ。

しかしその素顔を誰も知らなかった。アメグラ以降、国中でおなじみの人になってしまった。

この映画の中で彼の声はどこにでも存在し、若者たちに語りかけ、道を説き、

 みんなを束ねる、神的な存在、「スター・ウォーズ」で言えばオビ・ワン・ケノービのような存在だ。

 

第9章

ロケーション


ルーカスはロケをモデストで行う気は最初からなかった。

旧友たちから「そこ違う」とか、いちゃもんをつけられるの嫌がったからと、71年当時、モデストは結構近代化が進み、のんびりした田舎町風情は失われつつあったのだ。

 

ロケはマリン半島の太平洋側にあるペタルマで行われた。

撮影は1972年7月の一ヶ月をかけて、毎日夕暮れから日の出の時間、強行軍で行われた。

映画の設定は、ある日の一晩を描くものだった。

つまり何度もなんども同じ夜を一ヶ月繰り返したわけだ。


物語の中心になるメルズ・ドライブ・インはあっちこっち探し回り、サンフランシスコのダウンタウンに見つけた。そこはカメラが180度旋回すると摩天楼や背の高いビルが丸見えするところだった。


ルーカスは撮影も自分でやろうと思っていたが、

すぐにウェクスラーに泣きついた。

 彼は映画で利益が出た場合、その一部を得るという条件で無報酬で引き受けた。


 

 

カメラ・カーはなかった。

移動ショットの時は、カメラマンが車のトランクの蓋を外し、そこに乗り込んで牽引している車のフロントガラス越しに撮影した。

 

サイド・ショットの時は、不安定な帯ひものつり革につかまって

片手でカメラを持ち、

 足はドアの上で踏ん張った状態で撮影した。

 

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 第10章

ルーカスの演出?


ルーカスは俳優たちに言った。

「これは僕が書いたものだが(台本)気にしなくていい。自由に喋ってくれ」



スティーブ役のロン・ハワードは述懐する。

「カメラはいつも二台で撮っていました(黒澤の影響かもしれない)

だからいつスクリーンに映るとも知れません。何かのシーンをやると、一瞬たりとも気が抜けませんでした」


 

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つまり、俳優たちに自由に演技というか会話をさせ、それをまるで隠し撮りのように撮る、ということかな?



ルーカスは言う。


僕が監督するのは編集室の中でだ」



 

 

 

 チャールズ・マーティン・スミス扮するテリーが初登場する冒頭のシーン。

颯爽とベスパに乗って現れたかと思うと、勢い余ってドライブ・インの壁に激突して停車。

あれは脚本には書かれていない、普通だったらNGシーンだ。

ところがルーカスは何回か撮ったテイクのうち、あえてこれを採用した

(しかしこれはテリーのキャラクターを伝えるナイスなシーンだと思う)


中盤、テリーとデビーが酒を買いに行くシーンでは、デビー役のキャンディ・クラークが

セリフを明らかに噛んでるシーンがあるが、これもあえてNGテイクを採用した。


俳優たちは言う。

『ルーカスはNGを待っていた』


でもこれには正当な理由があるのかもしれない。

つまり、とちったり間違えたりするの方が現実世界だから。

 



余談

チャールズ・マーティン・スミスは、

撮影の合間に、次回作のあるSF映画の話を生き生きと語るルーカスを覚えている。


『面白そうに思えたよ。

ウーキーという毛むくじゃらの生き物が出てくるんだ。

僕と(リチャード)ドレイファスはそれにも出してよと言ったんだが、

ウーキーは2メートルもあるから無理だって」




撮影は28日間かけて行われた。

撮影が終了するとルーカスはなんとか工面した金で、ささやかなパーティを

開いた。

そこで編集済みの素材を20分上映した。

大半の人は疲れ切っていたので出来の良し悪しを気にしてられる状態では

なかった。

誰もこの映画に特別な価値を見出せなかった。

上映が終わると、ハリソン・フォードだけが、


『こいつは大ヒット間違いなしだぜぇ!』


叫び声がこだました。



続く









  

メイキング・オブ・「アメリカン・グラフィティ」前編

プロローグ


中心はラジオ

 

 

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『グラフィティとはイタリア語。


壁に描かれた絵を意味する。

口が達者で笑えて。

文化をチェックする方法は人それぞれだろう。

服を見る人も居る。僕のやり方はロックのラジオを調べること。

それがアメリカのグラフィティなんだ』

byジョージ・ルーカス

 

 

 

 

 

~メイキング・オブ・『アメリカン・グラフィティ』~

 

 

 

 

 

第1章

ルーカス、記念すべき監督デビュー作、いきなり失敗?

 

1971年、ジョージ・ルーカス、記念すべき監督デビュー作『THX1138 』

興行的にあまり芳しくなく(最終的にテレビ放映権で黒字)

ルーカスを落胆させていた。

 

 

…と言ってもそれより問題なのは、

それを制作した、当時のルーカスの兄貴分、フランシス・F・コッポラの会社

アメリカンゾエトロープ(一応ルーカスはそこの副社長。肩書きだけだが)。

『THX』は会社にとっても第1作完成作品だったが、

会社はいきなり 経済的苦境に立たされていた。

 

 

ルーカスは喉から手が出るくらい新しい企画をほしがっていた。

 

ある日のこと、ルーカスと後のアメグラのプロデューサーになるゲイリー・カーツはレストランで話し合う。

その席で二人は、子供の頃好きだった宇宙を舞台にした連続活劇

『フラッシュ・ゴードン』のリメイク案を思い付く。

 

『あれを今、カラーで観れたらおもしろいよねぇ』

 

二人は夢中で語り合った。

 

ルーカスはさっそくキング・フューチャーズ社(著作権を管理してるトコ)に問い合わせてみる。

 

すると、実はキング・フューチャーズ社も再映画化を検討中だと言う。

しかしその監督候補にはイタリアの監督、フェデリコ・フェリーニを検討中

だと言われてしまう。

 

…うぬぬフェリーニぃ?』

 

巨匠フェリーニが相手じゃ、まだ一本しか作ってない新人ルーカスに

勝ち目はない。

 

アキラメルーカスであった…

がしかーし! この決断が後のあの誰もが知っているSF大作を作るきっかけになろうとは…! ま、それはそうと…)

 

 

第2章

元ネタはフェリーニ作品?

 

一度は落胆するルーカスだったが、

しかし、そこは天才ルーカス、ただでは起きません。

 

『フェリーニに盗まれたとしたら盗んでませんが)

だったら俺だってフェリーニから盗み返してやる!』

 

と言ったか言ってないかは知りませんが(多分言ってません)

 

 

 

ちょうどその頃コッポラからも

 

 『『THX』のせいで、みんなお前のこと冷たくて取っ付きにくい奴だと

 思ってるぞ、

今度はもっと明るい暖かみのある映画を作ってみたらどうだ?』

 

なんて助言も受けていたジョージ君。

 

『だったらお望みの物を作ってやるさ!』

 

 

 

 

それをふまえ、ルーカスが参考にしたのは、フェデリコ・フェリーニ監督、1953年公開映画

 

『青春群像』

 

原題『乳ばなれできない子牛』…。

ストーリーは、田舎でくすぶってる5人の若者が、ローマ行きの夢を語らいながらも、毎日のんべんだらり脱力した毎日を過ごしていて、

その中で一番思慮深く物静かな青年だけがラスト、ローマ行きの列車に乗り込む。

フェリーニの自伝的映画。

 

ルーカスは、彼の生まれ育った故郷モデストのある一日、ハイスクールの

学年の最終日に構想した。

 

主要メンバーは4人の男子。

うち3人は若きルーカスのパーソナリティが投影されている。

 

都会の大学に行こうか行くまいか迷ってる、思慮深いクリス。

カーレーサーが元々の夢だったことで、走り屋ジョン。

イケてないオタク気味のテリー。

そして卒業パーティのキングで、リア充男子スティーブは、若きルーカスには一番合ってないが、ラブストーリーの要素を加えるべく付け足された。

 

そして年は、1962年に設定した。

 それはルーカスが自動車事故ですべてが変わってしまったあの年だ

(大変な事故だったらしく、翌日の新聞で一面で報じられた)

タイトルは半分イタリア語の『アメリカン・グラフィティ』を思い付いた。

 

 

そう、これはアメリカのポンペイの火山だ!

 

 

 

第3章

ポンペイの火山って?


 


…、ポンペイの火山、ご存知でしょうか? 私は知りませんでした…。


 


ポンペイの火山とは、かつてイタリアのナポリにあった都市ポンペイで起きた

 大噴火のことです。

街が一瞬にして火火砕流に飲み込まれた古代都市で、その時生き埋めになった市民の遺体跡は、火山灰の中に空洞化して残り、考古学者がそこに石工を流し込み、ご覧のような形で復元されています。

 

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この市街地には壁や塀など至る所に落書きが描かれていて、

これをポンペイ・グラフィティと呼ぶ。


 


 


 


ポンペイ・グラフィティ…。


 


その意味は

 ”郷愁に満ちた銅版画”

 

 

 これをアメリカの1962年に設定し、10年前には存在した、失われたアメリカの

 美しい遺産を、映画で永遠のものとして記録したかったのだ。

 


 


なるほどっ! 

 

 だから元々イタリア語であるグラフィティという言葉にこだわったのか。

 ちなみに今では日本でも一般的に使われているこの言葉は、当時ではアメリカ人すら誰も使っていなかった。


 

 

「よぉ〜しっ、次の企画は決まったぞっ!」 





第4章

売り込み


 


さっそくルーカスはおよそ4ページの草稿を書き、業界内にばらまいた。


毎週月曜日にはロサンゼルスに向かい、脚本の草稿と予算案、下着と靴下と清潔なシャツを入れたブリーフケースを持って、スタジオ周りに繰り出す日々を続けた。


 


その中で、何らかの関心を示したのはユナイテッド・アーティスツの制作部長、

デビット・チャスマンだけだった。

 そんな彼も最終的には断りを入れる 。


ルーカスのエージェント、ジェフ・バーグは、脚本を完成させて、もう一度トライしてみてはと、アドバイスした。


ルーカスは大学時代の友人ウオルター・ハイク(後のハワード・ザ・ダックの監督!)とグロリア・カッツ夫妻に声をかけてみたが、その時彼らは別の映画監督の仕事が舞い込んだ時期で、断らざるを得なかった。


でもアンラッキーばかりではない。

 ゲイリー・カーツが企画進行役と、実現した暁にはプロデューサーを勤めてくれることになった。


 


丁度その頃、ルーカスに思わぬボーナスが舞い込む。

 『THX1138』がカンヌ映画祭に出品されたのだ。


主催者側は旅費も招待状もを出してくれなかったにもかかわらず、ルーカスは

妻マーシャを伴ってパリ行きのチャーター機に乗った(泣ける)


 


カンヌでルーカスはユナイテッド・アーティスツの社長デビッド・ピッカーと

 商談する。

以前デビット・チャスマンがアメグラに興味を示したのだから、そのボスに話してみるのも、あながち無駄でないだろうと考えたわけだ。


 


その席でルーカスはアメグラと、ついでに今構想中のSF映画についても

 熱くプレゼンした。

 

ピッカーは二人にとても良くしてくれた。

 彼は自分の映画すら観れないと言うルーカスのために自分のパスを渡し、ルーカスが好きなだけ映画が観られるようにした。

そして、会社に戻ったらアメグラを重役会議で推薦すると言ってくれた。

 更に脚本の第一稿に1万ドル投資し、その仕上がりが良ければ更に投資すると約束してくれた。

後日、その電話連絡を受け取った日は5月14日、それはルーカスの

 誕生日でもあった。


 


 


『やったぜっ!』


 


ルーカスはこの吉報をカーツに伝えると、彼らと同じ大学出身の

 脚本家リチャード・ウォルターを第一稿執筆に提案した。


しかし出来上がったそれを見て、ルーカスは愕然とする。


 


 


 


『これ僕の青春と全然違う…』


 


ルーカスは改め、ウオルター・ハイクとグロリア・カッツに依頼した。


 

 

 


第5章

D・ピッカー、ルーカスとの商談、あっさり忘れてる!


 


『考えてもみてくれ、あの席で私がどれくらいの商談をしたかを!』


 


ピッカーにとってそれは映画祭の間ひっきりなしに行われる、うんざりさせられる数の商談の一つに過ぎなかったのだ。


 

…ということは、

アメグラもそうだが、前述したようにこの席ではあのSF映画の企画も含まれていたのだが…。


後年ルーカスはピッカーに会う度ちくりとこう言うのだった。

 

 


『あなたはスター・ウォーズの配給をみすみす逃したんですよ』

 

 

 

 

 


 


第6章

ところであの人は?


 


…とここまでお読みいただいた方の中には、コッポラが全然出てこないことに疑問を抱いた方もおられるかもしれません。


 


そう、

 前述したように当時コッポラはルーカスの兄貴分。

 一番近くに居た筈の映画人で、だいたい前作『THX』は彼の会社で製作した

(コケたけど)


 あえて避けてる?


実はその頃のコッポラとルーカスのあいだには、ちょっとした、ほんとにちょっとした友情の亀裂があったのだ。


 


ある時のこと、


当時コッポラは『ゴッドファーザー』の撮影で会社を留守にしていた。

ルーカスは妻マーシャの仕事(編集。後にスター・ウォーズでオスカー受賞)と、アメグラの企画売り込みに一日中業界に電話をしていた。


後日、電話代1800ドルの請求書がゾエトロープ社のマネージャーからルーカスに届いたということ。


 


『友達にそんなマネをする筈がないだろう』


 


と、しらばくれるコッポラですが、その頃銀行の貯金残高が2000ドルだった

 ルーカスは怒りと屈辱感に苛まれた(パパに借金)

 ルーカスはなかなか彼を許すことが出来なかった。


 

 

 


閑話休題


 

 

 


ハイクとカッツ夫妻に頼んだ脚本の第一稿が完成した。

 改めてデビッド・ピッカーに、第二稿への投資を承認するよう求めたルーカスだったが、ピッカーったら、脚本をほとんどその場で却下した。


 

『がぁ~ん!』


 


ルーカスは激しいショックを受けた。


 


 


企画は振り出しに戻る。


ハイクとカッツには当面ギャラなしの出世払いで執筆を続けてもらう。




  第7章

ドアを開いたのは「イージー・ライダー」



脚本が完成するとコッポラに見せることも考えたが、やっぱり思いとどまる…。


そのかわりコッポラの師匠的なアメリカン・インターナショナルのロジャー・コーマンの元へ持って行ったが、コーマン曰く、

 

 『もっと暴力的にしたら考えても良いよ』。


 

…。

 


ジェフ・バーグはありとあらゆるスタジオに脚本を送った。


 


そして、ついについにユニバーサルのネッド・タネンがそこに可能性をみた。


 


というのも、1970年は街中のスタジオが『イージーライダー』の興行成績に舞い上がっていたのだ。


『これからは低予算の若者向け映画の時代だぜぇ! イェーイ!』

 

今や75万ドルで予算を組み、あとは賃金の安い役者、あるいはユニオンに加入していないクルーと、22歳の切れ者監督(デニス・ ホッパー)を用意すれば、それだけで映画が作れる(?)。

 


ユニバーサルも、ネッド・タネンを指揮に一本100万ドル以下の

 『若者映画プログラム』をスタートさせていた。

そこにアメグラの企画が引っかかったというわけだ。


 

ルーカスとカーツは、LAでタネンと会見。

 自らも車好きを公言するタネンに

 アメグラはアピールした。

ハリウッドきってのお天気屋。躁鬱病を自認するタネンは、この時は終止上機嫌だった… 。

 


タネンは重役会議でアメグラを押す。

 

この、『ミュージカル! ただし俳優が歌うのではない』

 一ページ目にデカデカと書かれた脚本の、

 最大の問題点は全編にちりばめられた楽曲の使用料だ。

 おそらくは50万ドルはかかるだろうというのがみんなの意見だった。

 



しかし、ついにアメリカン・グラフィティの製作にゴー・サインが出る。
制作費は60万ドル。
これはスタッフや俳優たちのギャラ、曲の使用料も含まれていた。


しかしそれだけではなかった。


もう一つ、ある意味恐ろしい、ルーカスを震え上がらす、いゃ〜な条件が

付いていた。


 


 

  第8章

コッポラ、ついに自作「ゴッド・ファーザー」を

実演!!

 

それはコッポラに制作者に名前を出させる事だった。 


つまり、会社の思惑は、映画のポスターに

『ゴッドファーザーを作った男が新たにお届けする』と印刷出来ることだ。


 

 


?????!!!!!! 




『ヤバッ!』





ルーカスは一瞬青ざめた。


 


『今更…、改めてフランシスに?』。



 

そう、どう考えても今まで、敢えて避け続けていたコッポラの元へ、今更。

しかもはっきり頭を下げなければならない形…。




「その時のフランシスは、さぞかし気分良かったと思うよ」


先ずはタネンがコッポラの元へ赴いた。

タネンはコッポラに、基本的に何もしなくていい。しかも20%の印税がつく、

(それはルーカスと同額だ)と言った。

コッポラはタネンの申し出を受け入れるのだが、

でもジョージが直々に頼みに来るならね、という条件付きで(怖っ!)


後日ルーカスはコッポラの元へ。



あなたは「ゴッドファーザー」のオープニング・シーンを覚えてるだろうか?

そう、

懇願に来た葬儀屋ボナセーラに、ドン・ビトー・コルレオーネは

こう問いただすのだ。



『なぜ最初から私のところに来なかった?』



つづく。








  

シナリオ研究 第23回『アメリカン・グラフィティ』

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1973年 アメリカ映画

脚本 ジョージ・ルーカス ウオルター・ハイク グロリア・カッツ

主演 リチャード・ドレイファス ロン・ハワード シンディ・ウイリアムス他

 

ハイコンセプト

狭い田舎町の一晩を舞台にした群像劇


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テーマ:1962年、ケネディ暗殺もベトナムもまだ知らない、アメリカが最も
美しかった頃(異論はありますが…)の郷愁。













  

シナリオ研究 第22回『ローマの休日』そしてオードリーヘップバーンという人

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1953年 アメリカ映画

脚本 ダルトン・トランボ

主演 グレゴリー・ペック オードリー・ヘップバーン

 

ハイコンセプト

某国の王妃がたった一人でローマの街へ繰り出す珍道中。

 

 

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テーマ:

イニシエーション

友情と信頼



 



…で、この甘くてかわいくてオシャレで、品のいいコメディも、

すこしビタで、なおかつ少女から大人への成長物語まで描いてる

ロマンティック・コメディの佳作に、

いきなり主役で大抜擢のアン王女こと


オードリー・ヘプバーン


この時23歳。


その圧倒的キュートさで、一夜にして世界中を虜にしたスーパーアイドルの

誕生


(特にここ日本が圧倒的に人気があった。その理由はおそらくこの映画で『王女が庶民に憧れる』というストーリーに、初めてハリウッドスターに親近感が持てた。ではなかろうか)


なんですが…。


彼女がこの映画に出会ったのは、ただのラッキーなシンデレラ・ストーリー

ではない、なにか

必然的なものを感じてしまうのです。





ところで彼女が生まれた1929年にはもう一人ある有名な女性が誕生

しています。







 

私はアンネ・フランクと同い年でした』






アンネ・フランク。


そうです。

第二次大戦中、ナチスドイツの魔手から逃れるため、2年間の隠れ家での恐怖生活を綴った、あの世界的大ベストセラー『アンネの日記』

著者アンネ・フランクです。


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『私はその日記のオランダ語で書かれたゲラ刷りを、1946年友達に渡され、

衝撃を受けました。


きっと初めて読んだ人は誰もがそう感じるでしょう。

でも、私はそれを本として読んだのではありません。


それは私の人生そのものでした。』

 







アンネ・フランクが1942年から44年8月までの2年間、オランダは

アムステルダムにあった倉庫の裏の隠れ家で

咳をすることも注意しなければならないほどの)

恐怖生活を送っていた同じ頃、


オードリー(本名エダ)は同じオランダ(当時のオランダはドイツの占領下)

アーネムに住んでいました(1977年映画『遠すぎた橋』はまさにこの時期この場所での起きた

市民を巻き込んだ戦闘を描いたものです)



 

駅に立ってユダヤ人が運ばれていたこと、貸車の上から覗いている沢山の顔を

見たこと、あれほど恐ろしいことはありません』


そして、そこで表向きはバレエに打ち込む普通の女の子(エダは非ユダヤ)…を装い、

対ドイツ・レジスタンス組織の連絡係もしていました。



街にうようよいるドイツ兵の間を暗号文を靴の下に忍ばせて外出したり、バレエの初リサイタルはレジスタンス運動の資金集めだったりするそうです。



『人はみんな恐怖心をもっていますが、ほとんどの場合それは遠い未来のこと

に対してです。でも私はこの目で見、耳で聞き肌で感じたのです』

 

 

44年8月、アンネと彼女の一家はナチスに見つかり、強制収容所に送られます。

そしてその半年後にチフスと呼ばれる病気にかかり亡くなりました。

わずか15歳という若さです。






そして45年5月ドイツ軍の降伏によりアーネムの街は解放。

エバの一家はユニセフの前身『アンラ』の援助を受けます。

これが後にオードリーがユニセフ大使を引き受け、飢餓に苦しむソマリア

に行った理由なのは言うまでもありません。





『戦争が終わった時、私は16歳だったけど、私は12歳で大人になりました』




その後は、バレエ学校の奨学金を得てイギリスへ渡り、

踊り子→舞台女優→そして映画へ。



『ありがたいことに私は戦争を生き延びる事が出来て、人間同士の関係が

何より大切だと悟りました。

冨や贅沢、地位やその他あらゆるものより』






もう一度本編アン王女のラストの台詞。



『友情を信じます。人々の友情を信じるように』


 


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シナリオ研究レポート 第21回『スターウォーズ/フォースの覚醒』

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2015年 アメリカ映画

脚本 ローレンス・カスダン JJ・エイブラムス マイケル・アーント

主演 デイジー・リドリー ジョン・ボイエガ ハリソン・フォード

 

ハイコンセプト

ルークを探して善と悪が競争する。

 

 

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テーマ:

フォースの覚醒(…ですよね?) 映画イラストブログ

 

 






  

シナリオ研究レポート 第二十回『東京物語』

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1953年 日本映画

脚本 野田高梧 小津安二郎

主演 笠智衆 原節子 杉村春子

 

ハイコンセプト

上京して久しぶりに会った子たちから疎まれ寂しい両親。

 

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テーマ:

『欲張りはいかん』『いやぁ〜ねぇ、世の中って』

『そうですよぉ、私らまだ幸せな方ですよぉ』 






  

シナリオ研究レポート 第十九回『リング』

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1998年 日本映画

脚本 高橋洋

主演 松嶋菜々子 真田広之 

 

ハイコンセプト

見たら殺される呪いのビデオ大騒動

 

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テーマ

テーマ:呪いの連鎖(…でいいのかな?)

 

  

シナリオ研究レポート 第十八回『サイコ』

 

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1960アメリカ映画

脚本 ジョセフ・ステファノ 

主演 ジャネット・リー アンソニー・パーキンス 

 

ハイコンセプト

見知らぬ土地のモーテルにたまたま泊まったらとんでもない目に遭う

 

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テーマ

自己罪悪、自己嫌悪を認めないのが一番恐ろしい。

 


シナリオ研究レポート 第十七回『波止場』

 

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1954アメリカ映画

脚本 バッド・シュールバーグ

主演 マーロン・ブランド エヴァ・マーリー・セイント ロッド・スタイガー

 

 

ハイコンセプト

元チンピラが成長し、一人腐敗と戦う。

 

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テーマ

圧力に屈しない信念。

 


シナリオ研究レポート 第十六回『エルム街の悪夢』

 

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1984アメリカ映画

脚本 ウェス・クレイブン

主演 ロバート・イングランド ヘザー・ランゲンカンプ

 

 

ハイコンセプト

若者たちの夢(恐れ)に侵入する殺人鬼。

 

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テーマ

悪夢=恐怖心との戦い、克服。

 


シナリオ研究レポート 第十五回『ベイブ』

 

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1995 アメリカ映画

脚本 クリス・ヌーナン ジョージミラー

主演 ジェイムズ・クロムエル

 

 

ハイコンセプト

宿命に逆らった子豚のサバイバル

 

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テーマ

 食べられないために、自分にしか出来ない仕事を見つけ、生き延びる。

ちなみにトイストーリーのテーマは『自分を知り、そのフィールドでがんばろう』だった…。

 

  

シナリオ研究レポート 第十四回『レザボアドッグス』

 

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1992アメリカ映画

脚本 クエンティン/タランティーノ

主演 ハーヴェイ・カイテル ティム・ロス他



あらすじ

ある銀行強盗のために集められた凄腕集団の中に

おとり捜査員が混じっていたことから生じる、

非情でバイオレンスで悲しい世界。

 

ハイコンセプト(どんな映画


銀行強盗事件が失敗したことで、その中にまぎれていた潜入捜査官と

捕まえる筈の強盗との不思議な情。



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見所


斬新な時間軸(編集)

憎むべく筈の相手に情が芽生えてしまう道理を超えた人間の哀しさ。

 


シナリオ研究レポート 第十三回『羅生門』

 

 

 

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1948年日本映画

脚本 橋本忍 黒澤明

主演 三船敏郎 京マチ子 森雅之他

 

 

あらすじ

時は平安時代。

とある森の中で起きた殺人事件を巡り、

当時者三名の証言が食い違うことで浮かび上がる、人間のエゴイズムを暴くドラマ。

 

 

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このシナリオの第一槁は、当時国鉄のサラリーマンだった橋本忍が書いた、芥川龍之介の『薮の中』を脚色したものになります。


それをたまたま目にした黒澤明に気に入られたんですが

『これ良いけど、短いね』


と言われ、じゃあってんで、同じく芥川龍之介の『羅生門』をプラスして、はれて制作となったいきさつだそうです(で橋本忍さんもはれてプロの脚本家となりました。恐るべき才能と運)


ラストの赤ん坊のやり取りは映画オリジナルです(捨て子を育てようとする優しさ)。

これは黒澤の甘さがでちゃったシーンみたいです。

つまり見栄や自分の保身ばかりが人間の本性じゃ悲しすぎる、ってことで、黒澤自身もそれを問われて後にインタビューで漏らしています。


『まあでも、ああでもしなきゃ話が終わらないしぃ〜』





見所(私的)


『一人の女を巡り、二人の男が闘う』


…、なんかこれ、すごい野性的と言うか、動物的と言うか、かっこ良くないですか?


  


シナリオ研究レポート 第十二回『バットマンリターンズ』

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脚本 ダニエル・ウォーカー他
主演 マイケル・キートン ダニー・デビート ミシェル・ファイファー他


あらすじ
架空の街ゴッサム・シィティを舞台に、夜な夜な悪を懲らしめて回るバットマンと
ペンギンとキャットウーマンの三つ巴の愛憎劇(?)。

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お疲れさまでした。

 

この作品の見所


敵である筈のペンギンとキャットウーマンが

単純な悪ではなく、むしろ観客が感情移入してしまうような

悲しみを背負ってるとこ。

そしてそれを爆発させるトコロ。


さらに、


主要登場人物

ブルース・ウエイン(孤独な大富豪/コスプレ独善男)、

セリーヌ・カイル(孤独な秘書/コスプレ女)、

コブルポッド(悲しい出生/コスプレ男)、

ついでに黒幕シュレック(実業家の大富豪)ですら、

みんな実は似た者同士。善と悪が紙一重ってトコロ。


2作目なので、単純な勧善懲悪でなくなった。



シナリオ研究レポート 第十一回『スター・ウオーズ エピソード4』

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脚本 ジョージ・ルーカス
主演 マーク・ハミル ハリソン・フォード キャリー・フイッシャー他


あらすじ
遠い昔遥か彼方の銀河系。
大宇宙を舞台に悪い軍団と戦う善い人たちのお話。

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SF映画の金字塔、1977年公開『スター・ウォーズ』。

これはジョージ・ルーカスの原案から始めたで完全オリジナルシナリオで作られました。


※『神話なき国アメリカに、神話を作りたい』


そしてこの原案に大きく影響を与えたのは

ジョーゼフ・キャンベル著『千の顔を持つ英雄』と言われています…)


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世界中にあまたある英雄物語、神話おとぎ話を研究した神話学研究の名著(だそうです)



キャンベルは研究を通してある法則に気づきました。


それは世界中にある、それこそ千以上もある英雄物語は全部似た構造で出来ている。

つまりみんな同じ顔


そしてこの構造とは、以下の12に要約できる。


1、日常生活 悶々としている


2 冒険への誘い


3 冒険への拒否


4 賢者との出会い


5 戸口の通過 新しい領域に入る


6 試練、仲間、敵


7 最も危険な場所への接近


8 最大の試練


9 報酬


10 帰路


11 復活


12 宝をもっての帰還


見た人はすぐに気づく。

『これスターウォーズ』じゃん。


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お疲れさまでした。


 

で、今回改めてもう一度見直して思ったことは、この映画最大の成功の要因は、

ハン・ソロって奴を主役級のキャラにしたことじゃないのかな。


というのもこれは本来ルーク・スカイウォーカーって少年が修行して成長して英雄になって仲間たちの助けもありながらも)、悪を倒すって話で、ハンって奴はそれほど重要キャラでもなかった筈。

もっと言えば本筋とはあまり絡まない居なくていいキャラ。


しかし彼を主役級にしたのは大大大正解。

やはりみんな英雄やらお姫さんやらフォースがどうのじゃ観客に敬遠される恐れがある。


これはそもそもジョージ・ルーカスが考えた当初のアイデア、

『自分が子供の頃好きだった『フラッシュ・ゴードン』や『バック・ロジャース』みたいなわくわくドキドキの連続活劇もの、それを復活させたい』

その思いから来ていると思われます。


つまり、最初から神話云々と言うわけではなく、ありとあらゆる所から吸収しようとして神話にたどり説いた、ということだと思います。


神話プラス冒険活劇、それが『スター・ウォーズ』です。

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シナリオ研究レポート 第十回『ゴッドファーザー・パート2』まとめ

まとめ3

 

ハイマン・ロス


相棒モー・グリーンの復讐に、コルレオーネ邸襲撃→失敗。

ロサト兄弟にフランクを暗殺させようとし(この時マイケルが宜しくとよ!』と、ロサトに捨て台詞を言わせる)、殺さず公聴会マイケルを陥れる→失敗。

 

バチスタ政権への投資でマイケルから200万ドルを受け取った後で暗殺→実行ならず。

 

 

マイケル。


ギーリー議員と手を組み、ファミリービジネスを合法に近づける。一度拒否されるが後で力づくで。

キューバでロスを暗殺→失敗(事前に手配していた憲兵隊に阻止される。という事は、ロスは最初からマイケルが200万ドルを渡さないのは分かってた?)

フランクの兄を人質に取り公聴会で窮地を脱出。

基地で守られているフランクに面会。『家族を守ってやるから自殺しろ』と、遠回しに提案。

ロッコを使いロス殺害。多分フランクと似たような事言ったんじゃね?



 

いずれにせよ、自分を殺そうとしている相手と、平静を作り接しなきゃならんビジネスは…しんどそう


ではまた何時の日か…。

  

シナリオ研究レポート 第十回『ゴッドファーザー・パート2』 その3

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※ロスはモー・グリーン殺害の犯人はマイケルだと知っている。そしてマイケルも自分が疑われているのを分かっている。


しかし、絶対に言葉にしない。


まずロスは『おまえがやったんだろ!』と、ほとんど言っちゃってるかのようにあからさまに攻撃的にまくしたてる。

対するマイケルは、それをただただ黙って聞いている。

ほとんど肯定してようにもとれる。

つまりお互いほとんど認め合っている。


しかし、お互いに絶対に口に出さない。言葉にはしない。


その理由はもちろん劇中でロスが言っている


これはビジネスだからだ!』。


これはマフィアファミリーのお話だが、考えてみれば、このロスの名言に共感しない人は、

あまりいないだろう。

この我々が住む普通の世界の市民の中にも。


なぜなら、これは全ての大人社会、全ての仕事、いや全ての人間関係に当てはまるからだ。


シナリオ研究レポート 第十回『ゴッドファーザー・パート2』 その1

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脚本 フランシス・コッポラ/マリオ・プーゾォ
主演 アル・パチーノ ロバート・デ・ニーロ ロバート・デュバル他

アカデミー脚色賞受賞(後日談の方はオリジナルなんですが)

あらすじ
前作で父のあとを継ぎマフィアファミリーのドンとなったマイケルの苦悩の日々。
そして父ヴィトの若き日の物語を同時進行で描く、
重厚で格調ある、古今東西、数ある続編映画の最高傑作…多分。


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続く。


  

シナリオ研究レポート 第九回『マッドマックス 怒りのデスロード』その7 最終回

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…お疲れさまでした。



…という事で、マックスの命を捧げた必死の活躍

(極論すれば、塩の湖を渡ろうとするフュリオサたちを制止したから)により、

フュリオサ、ワイブス、そしてシタデル砦にてずっと虐げられていた人々

をも救われました。


ではそのマックスは?


いや実は彼、マックスこそが救われたのではないでしょうか。


物語後半、塩の湖を渡ると言ったフュリオサに対し、

マックスはこんな冷たい捨て台詞を残します。


希望なんか持たない事だ。心が壊れたら、残るのは、狂気だけだぞ』


その時、フュリオサは、とても哀しそうな目をしています…。


そんなマックスですが…。


最後の決戦。

イモータン・ジョーとの最後の戦いにて、見事勝利するも、

脇腹に重傷を負い、瀕死の状態のフュリオサが、

その最後の力を揺りしぼり、マックスにこう告げるのです。


故郷に…、帰って…』



このときの『故郷』というのは、つまり、

本当の自分』『あなた本来の姿』という意味でしょう。


そうです。

フュリオサはどうしても彼に伝えたかった。


『本当のあなたに、今こそもう一度、本当のあなたに戻って』と。




そして、フュリオサの必死の懇願に心を打たれたマックスは…。



ついに!



『俺の名は〜』




この映画のテーマは、『生きろ』そして『やり直す』です。







追記:では、この映画『マッドマックス 怒りのデスロード』シナリオざっくり解説。


第一幕

悪い奴が牛耳る砦にて。


プロットポイント1

『主人公が(フュリオサ)が悪い奴から逃げる』


第二幕

逃げる。


ミッドポイント

そもそも何のために逃げているか、その理由が主人公の口から示される。

『過去の清算…』


プロットポイント2

マックスからの提案により、『過去の清算…』をするんなら、逃げるんじゃなく、

戦わなければと言われ、考えを改める。


第三幕

激闘の末勝利をおさめ、『ばんざーい!』。


です(多分)。








  

シナリオ研究レポート 第九回『マッドマックス 怒りのデスロード』その5

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※12ページの解説

かつて人間にとって暴力とは、紛う事なく『正義』でした。
原始時代の話です。
それは周りにいる野獣、猛獣から身を守る時のみ行うことだったからです
(そしてその時は必ず一人でも多くの仲間を作りました)

それが何時しか文明が進歩すると、そんなものにおびえなくて済む知恵と技術が備わり。
すると今度は、人間同士、嫌いな奴、憎い奴、邪魔な奴(and とりあえず、弱い奴)
にふるうものになってしまったのです。



そしておばちゃんはダグに生命の種(この映画のテーマ)を見せる…。









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