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『帝国の逆襲』シナリオ完成への道。その3 ルーカス、覚醒。

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結局ルーカスはまた一から脚本を執筆しなければならなくなった。


 


 


 


 


 


 


しかしそれは本人もびっくりするほど早く楽な作業で、


第1作目のようにドア机の前で何時間もスランプに苦しめられることもなかった。


4月に草稿を書き始め、6月には書き終えていた。


 


そしてこの時書いた草稿で、初めてベイダーはルークの父。という設定が文字になる。


 


 


終盤ルークはレイアに告げる


「僕も行かなきゃならない。やり残したことがあるんだ」


「私がハンを愛してるって知ってるのね?」


「そうさ。僕はしばらく別の星にいたから。君にはハンがお似合いだ」


 


 


まさに「風と共に去りぬ」の世界だった。


このルーカスが書いた第二稿には我々が知っている多くのことが書かれていた。


 


冒頭は氷の惑星ホスにて帝国の侵攻に苦しめられる。


ハンは追手を逃れるため小惑星帯に突入する(これは前作の第一稿に書かれていたが、二稿で削除したシーンだ)


 


 


ルークは惑星ダゴバにヨーダを残し、ハンたちを


救出に行き、ヨーダに「別のものを見つけないとならない」と囁かせる。


 


クラウドシティでハンたちを出迎えるランド。ランドはクローンでなくなっている。


ハンはベイダーにつかまり拷問を受け、炭素冷凍される。


そしてボバ・フェットに引き渡される。


それは二作目でハンを殺してくれと頼んだハリソン・フォードを、三作目に登場させないための苦肉の策だった。


 


そしてクライマックス。


 


 


ベイダー対ルークのセーバーバトル。


その最中、ベイダーはルークを暗黒面に引きづりこもうとする。


 


「父と息子が手を組めば、私たちは銀河を支配できるのだ」


 


「なんだって?」


 


「私がお前の父だ!」


 


 


 


 


『がーん!!』


 


 


 


 


ルーカスはいつからベイダーがルークの父親としたのか?


 


ルーカスは「ベイダーがルークの父親だというアイディアは、ずっと以前からあった」と言っているが、同時に脚本の執筆では書くことで多くのアイデアが自ずと生まれてくることを認めている。


 


キャラクターが物語を乗っ取るのだ。


 


そして、そのあとで著者が、辻褄を合わせる。


 


 


 


 


おそらくだが、


この第二稿執筆過程で、次のようなことが起こったのではないだろうか。


 


 


 


 


 


このシーンで最も重要なのはルークが暗黒面に落ちてしまうかもしれないということだ。


 


ルーカスは、


 


ベイダーの台詞により、ルークの憎悪を掻き立てるものにしたかった


 


それはどうすれば良いのか?


 


 


ベイダーはルークの父を殺した(というのはすでに言明されている)


それを単に話を大きくし、家族全員殺したということにする、でもいいだろう。


 


 いや、それだけではまだぬるい。


 


 


 


ルーカスが大きく影響を受けたジョーゼフ・キャンベルの「千の顔を持つ英雄」にもこう記されてある。


 


「英雄と父親との和解は神話において必須であり、ほとんど宗教的な構成要素である」


 


と。


 


 


また、


 


「父親に会いに行く英雄が直面する課題は、恐怖を乗り超えて、魂を解放し、


この広大で冷酷な宇宙に存在する、


不快で不合理な悲劇が存在の威厳においては完全に有効であるという真実を悟るまで成熟することにある」


 


 


 


そして「父と息子が手を組めば、私たちは銀河を支配できる」というセリフが生まれた。


  これはベイダーガルーカスに書かせたものだ。


 


 


 


ベイダーはすでにジェダイを裏切り暗黒面に落ちた元ジェダイだと説明されていたが、


 


ではベイダーがそもそも、そのアナキン・スカイウォーカーだとしたらどうだろう?


 


それはオペラにも似た、芝居がかったレベルの裏切り物語になるはずだ。


 


 


これにより、例えばオーウェンおじさんやオビ=ワンやヨーダが、ルークが父親のようになることを心配した理由の説明ができ、ストーリーラインの冗長性が一挙に取り除ける。


 


 


 


 決まった!!


 


この時アナキン・スカイウォーカーとダース・ベイダーは同一人物になった。


 


続く。


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